個人投資家が重視すべきIR情報とは?
では、個人投資家は数あるIR情報のうち、どれを重視すればよいのでしょうか?
真っ先に挙げられるのが決算の情報です。具体的には「決算短信」「四半期決算短信」です。
やはり、決算の内容により株価が動くケースが圧倒的に多いですし、長期的に見れば企業業績と株価は連動して動きます。決算内容は速やかにチェックしておくべきでしょう。
また、決算発表に先立って、業績予想の修正発表というものがなされることがあります。これは、当初企業側が発表した業績予想の数値の最新値よりも、売上高であれば10%、利益であれば30%以上の変動があることが明らかになった時点で開示しなければいけないことになっています。
※参考:東京証券取引所ウェブサイト・業績予想の修正、予想値と決算値との差異等
決算発表の前であっても、この業績予想の修正発表の段階で株価は大きく動くことが多いので、こちらも注意しておきましょう。
なお、決算短信や四半期決算短信が発表された後、より詳しい内容が掲載された「有価証券報告書」「四半期報告書」というものも発表されます。ただ、株式投資では情報のタイムリーさが重視されるので、まずは決算短信と四半期決算短信に注目すべきです。
無論、決算短信は決算発表の速報版という位置づけであり、企業のことそれ自体をもっと詳しく知りたい、という場合は決算短信よりも有価証券報告書を見ることをおすすめします。
決算発表のスケジュールはあらかじめ把握しておこう
ところで皆さんは、ご自身が株を持っている企業の決算発表のスケジュールは把握していますか。
また、株を持っていなくとも、今後機会があれば投資してみたいと考えている投資候補企業についても同様です。
各企業の決算発表の予定日は、例えば東京証券取引所のウェブサイトに一覧で掲載されています。
または、楽天証券のウェブサイトに掲載されている「決算発表スケジュール・決算速報」で確認することができます。
個人投資家の方で意外に多いのが、決算発表の内容を確認しないまま株を持ち続けてしまった結果、決算内容が悪く株価が大きく下がってしまっても売り時を逃してしまい、損失が膨らんでしまうというケースです。
『会社四季報』に過去の業績や来期以降の業績予想が載っていますから、それさえ見ておけばよいという方もいますがそれはよくありません。
株価は常に「最新の情報」を織り込んで動きます。会社四季報の最新号が出るまでの3カ月間の間にも、新たな決算発表が行われます。でもこの決算は、現時点で最も新しい会社四季報には掲載されておらず、次の号が出るまでは掲載されないのです。
ですから、会社四季報の情報だけを見ていては、直近の決算発表の内容を他の投資家は知っていて、それを踏まえて行動しているのに、自分だけ会社四季報の古い情報をもとに行動してしまうことになりかねません。
決算の内容は、常に最新のものにブラッシュアップすることを忘れないようにしてください。
次回は、個人投資家にとって最も重要なIR資料といっても過言ではない「決算短信」について、できるだけ時間をかけずにポイントを押さえてチェックする方法をお伝えします。
≫足立武志のIR特集2を読む
≫足立武志のIR特集3を読む
<参考情報>
楽天証券では、東洋経済新報社の会社四季報の最新データを発行日当日に、ウェブまたはマーケットスピード(Win/Mac)、およびiSPEED for iPhone/Android(バージョン3.1以降)にてご覧いただけます。
さらにログイン後の画面で、主要企業の決算速報をご覧いただけます。
【ご注意事項】
IRに関する記事は、楽天証券が特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。IRに関する最新情報は、各企業のホームページをご確認ください。