いよいよ大統領選挙まであと一週間となりました。選挙後すぐに結果が判明していない可能性も十分考えられますが、少なくとも今年、株式市場にとって最大とも言える不透明要因・イベントが通過するのはもうそれほど先ではなくなりました。今年初め、2016年の米国株式相場の予想を聞かれた際、私は「今年は大統領選挙を控えているので、それまでは上昇しにくいだろうが、大統領選挙が終わるくらいから上昇に弾みが付くだろう」と申し上げました。今年S&P500指数はこれまで3%しか上昇していないのでこれまでは予想通りなのですが、一方で「大統領選挙後、上昇に弾みが付く」という考えも現時点で全く変わっていません。
市場には大統領選挙以外にいくらでも材料はありますが、やはり不透明要因という点では選挙に勝るものはなく、歴史的にも大統領選挙を控えた10カ月間は冴えない相場展開となることが多いものです。特に、2期(8年)続いた大統領の任期後半には株式相場が大きく調整する傾向が見られます。ニクソン大統領は8年続きませんでしたが一応2期目、レーガン大統領時は1987年ブラックマンデー前がほぼ高値、クリントン大統領は任期満了の10カ月前からITバブル崩壊、そしてブッシュ大統領は任期満了の1年半前から金融危機に見舞われ、今年初めにも株式相場は一時大きく下落しました。相場の下落材料としては大統領に直接関係ないと思われるものもありますが、大統領選挙を控え、少なくともこのような調整を支えられるようなサポートが出にくい状況になっていたことは確かでしょう。
またビジネスを営むにあたっても当然、大統領選挙の動向は気になるところでしょう。ビジネスプランを立てる際、殆どの場合少なくとも3年以上先を見据えた経営を考えると思います。しかしそのような時、大統領が交代することをきっかけに様々な政策が変わるとなると、大統領選挙が終わってきっちり政策が明確になるまで雇用や設備投資は控えようということになるでしょう。市場では例えば、薬価抑制につながる法律が成立する可能性が高まれば薬品株には大きな打撃でしょうし、金融規制が強化されるとなれば、ウォール街の金融機関にとっては痛手となるでしょう。こうして大統領選挙前というのは当然のことながら、ビジネスも投資も控えられがちになるはずです。

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