毎年多くの生徒を東大へ送り込む超進学校を舞台に、主人公の中学1年生が、数百億円という巨額を投資していく人気マンガ『インベスターZ』。投資や運用などの仕組みがわかりやすく描かれていると、証券業界でも評判を呼んだ同作は、2017年6月に4年にわたる連載を終え、最終巻となる単行本21巻が同年10月に発売されました。
さらにテレビ東京で、7月13日(金)深夜0時57分からドラマ25「インベスターZ」として放映開始! ホリエモンこと堀江貴文氏がナレーションを担当し、メルカリの小泉文明氏、ユーグレナの出雲充氏、メタップスの佐藤航陽氏ほか、実在するベンチャー企業の社長が登場することも話題です。
この人気作品の作者である三田紀房氏に、トウシル編集チームがインタビュー。『インベスターZ』作者として読者に伝えたかった思いから、目からウロコの投資哲学まで迫ります。
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戦時中も株式市場は盛り上がっていた!
◆『インベスターZ』は近現代の日本経済史も学べることもポイントですよね。
『インベスターZ』を描くなら、歴史を折々にはさみ込んでいこうという意図は当初からありました。それも経済史をクローズアップしようと考えていたんです。
一般に授業で学ぶことができる「歴史」は、歴史上の人物、それもヒーローと、その人が関わった出来事に集中しています。経済史は意外と学ぶ機会がないんです。
本当に学ぶべきは、経済史とその裏にある人間の営みのはず。いまを生きる自分と同じ人間がいて、経済が動くのですから、おもしろくないはずはありません。
それを裏付けるように、読者から反響が大きかったのは、第2次世界大戦中でも、日本の株式市場は動いていたという事実を描いたとき。常に戦時体制下の生活を強いられて、株の売買などもってのほかという思い込みによって、事実が隠されてしまったのかもしれません、本当は取引市場が活況だったのに。
経済活動は人の生活の根幹を成しているのに、戦争という大きな出来事によって、それ以外の出来事がまったく注目されてこなかったんです。