足元でボラティリティが高まる米国株式市場ですが、投資家から支持されるセクターも変化しています。昨年はナスダック総合指数のパフォーマンスが良かったですが、今年は3月以降、ダウ工業株やS&P500がアウトパフォームしています。

<米国株式市場の主要指数の推移>

 背景にあるのは、米国経済の拡大期待と、それに伴う米国10年債利回りの上昇です。セクター別でみると、パフォーマンスが良いのは資源価格の上昇に支えられたエネルギー、素材などのコモディティ銘柄、金利高による利ザヤの拡大が期待されている金融株、新型コロナ禍の終息と経済拡大期の中で追い風が吹くと予想される資本財銘柄などです。

<S&P500のセクター別パフォーマンス例>

 経済の拡大や物価上昇に対する期待が続く限り、上記のセクターは今後もアウトパフォームが続く可能性が高いです(コモディティ価格の変動には注意する必要があります)。

 こうしたなか、経済の拡大期に恩恵を受けやすい景気循環株から、足元の四半期決算で大きなポジティブサプライズを出したものを3つ紹介します。景気循環株のリスクは、足元で起きているコモディティ価格の上昇や半導体の不足にありますが、足元で市場の期待を上回る着地ができたものは比較的リスクが低そうです。