米国株でもグロースが売られる中、景気敏感バリュー株が堅調

 米国株でも同じ流れが起こっています。2021年は世界景気の回復期待が高まっていることを受けて、米国の長期金利が一時1.7%まで上昇。

 これにより、株価バリュエーションの高いグロース株の構成比が高い米ナスダック総合指数が下がる中、相対的にバリュー株の構成比が高いNYダウは堅調です。逆に、2020年はグロース株の構成が大きいナスダックの方が好調でした。

米長期金利(10年国債利回り)の推移:2020年1月2日~2021年3月26日

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

日経平均・ナスダック総合指数・NYダウの動き比較:2019年12月30日~2021年3月26日

出所:2019年末の値を100として指数化、日経QUICKデータより楽天証券経済研究所が作成

 米国ではコロナワクチン接種が進み、年後半にコロナが収束に向かう期待が出ています。そうなると、年後半「リベンジ消費」(コロナ禍で抑えられていた潜在消費がまとめて出る)が盛り上がる可能性もあります。

 そこにバイデン政権が実施する1.9兆 ドル(約200兆円)の巨額財政出動が重なると、年後半に米景気が過熱する懸念が出ています。こうした懸念を受けて、米長期金利は短期的に予想以上のピッチで上昇しました。

 中国・米国の景気回復期待を反映し、原油、銅、ニッケル、鉄鉱石、穀物、海運市況がいっせいに上昇し、インフレ懸念が出始めていることも、長期金利上昇につながっています。