日系企業の駐在員として米国で暮らしながら、米国株投資を行っている、もみあげさんインタビューの中編をお届けします。今回は、投資初心者が米国株投資を始める場合、どんな銘柄に着目すべきかを聞きました。

米国経済はまだまだ成長し続ける

──ここからは、米国株投資を始めたいという初心者に、何に投資したらいいのか、アドバイスをお願いしたく思います。大きく分けると「インデックス投資」か、「個別株投資」か、ということになると思いますが、どちらを勧めますか?

 それぞれよさがあるので、どちらとは言いにくいですね。というか、どちらか一方でなく、両方やってみたらいいと思います。ただし、これまで米国株はもとより、日本株も買ったことがないという人は、まずはインデックス投資から始めるのが無難でしょう。僕自身もそうでしたし。

──インデックス投資のよさは?

 インデックス投資というのは、特定の銘柄でなく、「株式指数」に投資する方法です。例えば米国には「S&P500」という株式指数があります。これはニューヨーク証券取引所などに上場する、代表的な500銘柄の株価をもとに算出されます。つまり、S&P500に連動する投資信託やETF(上場投資信託)に投資するというのは、米国の主要500社に投資するようなものなんです。

──米国経済そのものに投資するといってもいいかもしれませんね。

 はい、ですから米国経済が成長を続ける限り、安定したリターンを得ることができます。

──米国経済はまだまだ成長すると思いますか?

 例えば日本のGDP(国内総生産)の推移を見ると、2000年ごろから長く低迷しています。しかし、米国はリーマンショックがあった2009年以外は、毎年2%程度の伸びを示しています。それは株価にも表れていて、日本の株価指数であるTOPIX(東証株価指数)と、米国のS&P500を比較すると、大きな開きがあります。TOPIXはバブル崩壊以降、1万円から2万円あたりをずっとうろうろしていますが、S&P500は基本的には右肩上がりです。

──だからといって今後も同じ状況が続くとは限らないのでは?

 もちろん、そうです。でも、例えば今後の人口予測を見ると、日本の人口が減少し続けているのに対して、米国の人口はまだまだ増え続けると考えられています。米国は、先進国では珍しい人口増加国なんです。そのことを踏まえても米国経済は発展し続けると考えるのが自然でしょう。

著書20ページ目にも掲載されている日米人口推計。移民も多いが着々と人口を増やし内需拡大が期待できる米国に比べ、日本は少子高齢化が進むばかり。米国に期待したくなる若い人が増えたのもうなずける。