前日(10月17日)の市場概況

ドル/円:112円台前半で横ばい。次のFRB議長は?

 ドル/円は横ばい。112円台前半の狭いレンジ内での取引が終日続きました。安値は東京時間の112.03円。NY時間になって、米長期金利の上昇に伴い112.48円の高値をつけました。9月の米鉱工業生産は事前予想通りの結果で、相場の反応はありませんでした。終値は112.196円(前日比-0.002円)。(チャート1)

 トランプ大統領は、アジア歴訪に出発する11月3日までに、FRB(米連邦準備理事会)の次期議長を指名する予定。最終候補者は、ケビン・ウォーシュ元FRB理事、ジョン・テーラー・スタンフォード大学教授、パウエルFRB理事、コーンNEC(米国家経済会議)委員長、そしてイエレンFRB議長の5人。

 

 

ポンド/ドル:英CPIは天井をつけた

 この日発表の9月CPI(消費者物価指数)は前月比+3.0%で、予想通りの強さとなりました。ポンド/ドルは、発表後に1.3286ドルまで上昇しましたが、1.33ドルには届かず。

 ポンド売りのきっかけとなったのは、MPC(英金融政策委員会)委員やカーニー総裁が、「インフレは現在の水準がほぼピーク」との見解を示したためで、この発言を受けてポンド/ドルは1.3154ドルまで大きく下落。(チャート2)

 BOE(英国中央銀行)は年内利上げに意欲を示しているものの、FRBのような継続的なものではなく、1回で終了の可能性が高くなりそうです。

 

 

豪ドル/ドル:RBAは豪ドル高に不満

 この日公表されたRBA議事録が豪ドル高を警戒する内容だったことから、豪ドル/ドルは東京時間午後に0.78ドル前半まで下落。いったん0.7860ドルへ反発したものの、海外勢がRBA(豪州準備銀行)議事録の内容を重く受け止めて売りが再開、0.7817ドルの安値をつけました。(チャート3)

 RBA議事録は、「豪ドルの大幅な上昇は、成長を鈍らせる結果となる」と、新たに「大幅」の表現を付け加え、通貨高対する不満を強調しました。

 利上げについては慎重な姿勢で、「国内経済を鑑みて決定するもので、他国に追随して機械的に利上げすることはない」と早期の利上げには否定的。RBAの利上げは2018年下半期以降になるとの見方になっています。

 

 

NZドル/ドル:CPI発表後に反応も、長続きせず

 NZD/ドルは、7-9月期の消費者物価指数が予想より強かったことで0.7201ドルまで上昇。(チャート4)消費者物価指数は強かったものの、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)は、インフレが完全に底を打ったと確認できるまで利上げをしない方針。今回の結果を受けて、すぐに利上げということはないと思われます。RBNZは、利上げ開始時期を2019年度下半期との見通しを示しています。

 NY時間には、NZの世界最大の乳業輸出会社フォンテラが、乳製品の入札価格の下落を伝えたことで0.7145ドルまで下落しました。

 

 

この指標を見逃すな!今日(10月18日)の注目イベント

英失業率。賃金上昇率にも注目集まる

 

 英国の、ILO(国際労働機関)標準による、3カ月の失業率は、4.3%で前回と変わらない予想。世界的に、雇用データの重点は、失業率から労働賃金へと移っているのですが、英国でも、賃金上昇の伸び悩みによる家計部門の消費の弱さが心配されています。BOEの利上げが時期尚早との声が強まっています。