2.コスト上昇には要注意
一方、今後注意したい要素としては、半導体等の品不足、輸送費、燃料費、人件費の上昇があります。3月の鉱工業生産では、自動車・同部品の生産は前月比2.8%上昇にとどまり、前月の10%減からの本格回復は見られませんでした。背景に半導体等の不足があるとみられます。輸送費については、中国から米国西海岸へのコストが上昇しています。この2つの問題は年後半に改善する見込みですが、中長期的には燃料費、人件費の上昇懸念が残ります。航空業界や外食は、来年の本格需要回復が期待されていますが、コストの上昇にも注意する必要があります。
この観点からは、市場価格を転嫁しやすい素材系の企業が魅力的です。直近ではアルミニウム生産最大手のアルコア(AA)が、アルミニウム価格上昇の恩恵を受け、好決算を公表しました。今後の注目銘柄は、銅や金の掘削大手フリーポート・マクモラン(FCX)です。銅は導電率が高く電気抵抗が小さい特徴から、工業製品や電子機器だけでなく、再生可能エネルギーの貯蔵や輸送にも活用される可能性があります。