第3四半期までの決算分析:コロナ関連の損失は想定以下

 今期は、コロナ禍で与信コスト【注】が拡大しています。それが、利益圧迫要因となっています。

【注】与信コスト:貸付金などの与信が回収できなくなることで発生する損失。債権回収が不可能となったことで確定する「貸倒償却」と、与信先の信用低下に伴って予防的に引き当てる「貸倒引当金」繰り入れなどがある。コロナ禍の影響で今期は、貸倒引当金の繰り入れが大幅に増加。

3メガ銀行の決算概要:第3四半期までの与信コスト・前年同期比の増減

出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成

 ただし、これまでの経過では、与信コストは当初想定していたよりは少なく済んでいます。外食業・観光業などで破綻が増えていますが、それ以外の産業は経済再開にともなって持ち直しつつあります。