金利低下でも高水準の収益を保ってきた3メガ銀行

 3メガ銀行は、金利低下期でも、安定的に高収益を稼いできました。「金利が下がると銀行の収益が悪化する」というイメージとは、異なります。

3メガ銀行の連結純利益:2014年3月期実績~2021年3月期(会社予想)・2020年4-12月実績

出所:各社決算資料。2021年3月期は会社予想。三菱UFJは会社目標

 三菱UFJ、三井住友FGの連結純利益は、2019年3月期までは、長期金利がどんどん低下していく中でも安定的に高収益をあげています。みずほFGは、2019年3月期に国内商業銀行部門に帰属するソフトウエアの減損(特別損失)を出したため利益水準が低くなっていますが、本業利益は高水準でした。つまり、3メガ銀行とも、2019年3月期までは安定的に高収益を稼いできたと言えます。

 足元コロナ禍で純利益の水準が低下していますが、それでも赤字に転落するわけではなく、高水準の利益を維持していると言えます。

 海外収益の拡大と、ユニバーサルバンク経営(証券・信託・リース・投資銀行業務などの多角化)によって、低金利でも高収益を稼ぐビジネスモデルができあがっていると考えられます。したがって、コロナが収束すれば、再び利益水準は元のレベルへ戻ると考えています。コロナ収束後に、三菱UFJで8,000億円~1兆円の純利益をあげる力があると判断しています。

 さて、コロナ禍の中、3メガ銀行が今期第3四半期まで(2020年4-12月)の決算を発表しました。3社とも、第3四半期までで、すでに通期の純利益予想を超える利益をあげています。予想対比の達成率は100%を超えています。

 それでも、コロナ禍が続いていることを考慮して、3社とも通期利益の上方修正は行いませんでした。第4四半期が赤字になることはないと考えられますので、通期の純利益は会社予想を大幅に上振れる見込みです。

 それでは、第3四半期までの決算内容を、以下詳しく分析します。