過去5年の実際の年率リスクが低かったバランス型ファンドは?
解答:B)eMAXIS バランス(4資産均等型)
5年間年率標準偏差は、Aは10.2%、Bが8.5%です。
あくまでも過去5年の結果ですが、単純にリスク水準だけに着目すると、「8資産均等型」よりも「4資産均等型」の方が低かったということになります。
一見すると、より多くの資産に分散投資していた方がリスクを抑えられそうですが、組み入れ資産の数が多いからといって、投資信託そのもののリスクが一律に低くなるわけではありません。
先述した格言の場合は、より多くのカゴに分散したほうが、すべての卵が割れるリスクを低くできます。
しかし、投資の世界でリスクを下げるためには、単に複数の資産を組み合わせるだけでなく、値動きの方向性の異なる資産、つまり、「相関が低い」資産を組み合わせる必要があります。相関の低い資産の組み合わせなら、たった二つの資産でもリスクを下げることは可能です。
相関って何?
ここで、「相関」についてもう少し詳しく解説しておきましょう。
「相関」とは、統計学の概念で、二つの物が密接に関わり合っていること、すなわち、類似性の度合いを意味します。
「Aの売り上げが伸びたら、Bの売り上げも伸びる」という場合、AとBは「相関が高い」、または「正の相関がある」といいます。
反対に、「Aの売り上げが伸びたら、Bの売り上げは落ち込む」という場合、AとBには「負の相関がある」といいます。
Bの売り上げにさほど影響が出ない場合は、「相関がない」「相関が低い」などということもあります。
つまり、二つの物事や事象が、同じ方向を向いているか、それとも反対の方向を向いているかによって、相関の有無と高低が表されます。
各資産がリターン(利益率)に与える影響は異なるので、どの資産にどの割合で投資するかというのも、リスクをコントロールする上で注意を払う必要があります。