2.世界の原油消費量は増加基調だが:21世紀の原油需要をけん引してきた中国がスローダウン

 EIA(米エネルギー省エネルギー情報局)によれば、2004年からコロナショック前の2019年までの15年間で世界の原油需要量は年率+1.4%程度の速度で成長してきたようです。

 しかし、世界中で満遍なく需要が伸びてきたわけではなく、先進国であるOECD(経済協力開発機構)加盟諸国は年率▲0.4%の需要減だった一方、中国が年率+5.7%と高成長し、世界の原油需要をけん引してきました。

 しかし、2020年のコロナショックを経た2019~2022年の需要成長見通しは、OECD加盟諸国が年率▲1.8%と、さらにマイナス度合いを深め、中国も年率+1.9%の成長に大きくスローダウン、その他新興国などもほぼ横ばいで、世界全体でゼロ成長となる見通しです。

図表2世界の原油消費量(日量)の推移

出所:ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
※期間:2004年1月~2022年12月、月次
※米エネルギー省エネルギー情報局の統計に基づく、予想を含む