為替DI:1月のドル/円は「円高」! 個人投資家の半数以上が予想

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスの時は「円安」見通し、マイナスの時は「円高」見通しで、プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強いことを示しています。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

「2021年1月のドル/円は、円安、円高のどちらへ動くと予想しますか?」

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 楽天証券が12月末に実施した相場アンケート調査の結果によると、回答を頂いた個人投資家4,570人のうち半数を超える約53%(2,412人)が、1月のドル/円は「ドル安/円高に動く」と予想しています。

 コロナ後の世界経済はどうなるのでしょうか? 力強い景気回復がやってくるのと同時にこれまで抑圧されていた消費が一気に爆発して、狂乱物価時代となるのか。あるいは景気停滞が長期間続くのか。そのカギを握っているのが、コロナワクチンだと思います。

 緊急事態宣言による外出自粛で感染者は一時的に減りますが、政府がGo Toキャンペーンを始めたら、おそらく感染が再び拡大するでしょう。そうしたら移動制限に逆戻り。ワクチンがなければ、この繰り返しが延々と続くことになります。

 しかし、ワクチン展開のスピード、そして集団免疫(全人口の一定割合が免疫を持つ状態)の成否を現時点で予測することは困難。輸送に必要なマイナス70度の超低温物流問題から副作用やコロナ変種対応など、不確定な要素が多すぎるからです。

 ワクチン展開が成功すれば人々の生活は元通りになるのか。ウイルスに対する恐怖は消えるのか。コロナ後の人々の行動パターンの予想はさらに難しいでしょう。

 ただ、ワクチンがある程度行き渡り、コロナに適応する生活が日常になるという前提に立って予想を立てるならば、今年後半のどこかの時点において、消費が爆発的に拡大する時期がやってくる可能性が高い。供給が需要急増に追いつけず、モノ不足からインフレが一時的に跳ね上がる。それに反応して異常に低い状態に置かれていた金利は大幅上昇。しかし中央銀行はインフレ放置だから利上げはしません。

 低金利継続と消費回復を追い風にして株式市場の活況が継続するでしょう。一方、金利差による「ドル買い」と、リスクオンによる「ドル売り」に挟まれて、ドル/円はレンジ相場が継続すると考えます。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 12月のユーロ/円の終値は126.20円。11月終値に比べて約1.75円のユーロ高/円安水準でした。

 1月のユーロ/円は、どちらへ動くでしょうか?

 12月末に楽天証券が実施した相場アンケート調査によると、個人投資家4,570人のうち約37%(1,668人)が、1月のユーロ/円は「ユーロ安/円高に動く」と予想しています。

「ユーロ高/円安に動く」は、最も少ない約17%(790人)。「動かない(わからない)」は、約46%(2,112人)でした。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 12月の豪ドル/円の終値は79.50円。11月の終値に比べて約2.90円の豪ドル高/円安水準でした。

 1月の豪ドル/円は、どちらへ動くでしょうか?

 12月末に楽天証券が実施した相場アンケート調査の結果によると、回答頂いた個人投資家4,570人のうち約29%(1,311人)が、1月の豪ドル/円は「豪ドル安/円高に動く」と予想しています。

「豪ドル高/円安に動く」は約18%(854人)で最も少なく、「動かない(わからない)」は約53%(2,405人)で半数を超えています。