1.TJXカンパニー

 TJXカンパニー(TJX)は、アパレル、アクセサリー、ホームファッションのオフプライス店を運営するトップ企業で、4,574店舗を展開しています(2020年10月末時点。このうち米国は3,309店舗)。競合のロス・ストアーズ(ROST)の店舗数は1,869店です。

 オフプライス店は、有名ブランド品などを定価から割り引いて販売する店舗を指しますが、同社は100カ国以上から、キャンセル品、メーカーの過剰生産品、小売業者の見切り品、工場の直接生産品などを調達するネットワークを築いています。

 提供する商品のデザインが古くなりがちな業態ですが、同社は、高級ジュエリーやアクセサリー、ハイエンドのデザイナー商品もそろえ陳腐化を回避、場合によっては商品を自社開発して豊富な品ぞろえをサポートしています。

 コロナ禍前は、値ごろ感が好感され既存店売上高の伸びが続いていたほか、店舗数も拡大傾向にありました。2020年はコロナ禍の影響を受け店舗の営業停止を余儀なくされましたが、今後は、ロイヤリティプログラムによる顧客の囲い込みや、ホームファッション業態のオンライン販売強化などを背景に、業績が回復に向かう見込みです。

<TJXカンパニーの主要業態における既存店売上高前年同月比推移>

期間:2011年4月30日(2012年1Q)~2020年2月1日(2020年4Q)
単位:%
出所:ブルームバーグより楽天証券作成

<TJXカンパニーの店舗数推移>

期間:2015年5月2日(2016年1Q)~2020年2月1日(2020年4Q)
単位:店舗
出所:ブルームバーグより楽天証券作成

2.スターバックス

 スターバックス(SBUX)も、人々が通勤や外出する機会が増えれば、業績が回復に向かう銘柄です。コロナ禍前から、アプリによる事前注文などデジタル化による効率化を進めていましたが、今後もドライブスルー店舗の増強など店舗の効率化が期待できます。先月、会社側は長期の成長計画を公表しており、これも投資家から好感される材料になります。会社側は、今後中国を中心に積極的な出店を進め、2030年度までに店舗基盤を5万5,000店に拡大する目標を示しています(2020年4Q時点では3万2,660店舗)。