ETFと投信の強み

手数料は海外ETFのほうが低め

 海外ETFは、投信と比較して、運用手数料が低い商品が多いです。例えば、米国株式の約3,500銘柄に投資をするバンガードETFである「VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)」を直接購入する場合の経費率*は0.03%になります。これを投信である「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を通じて購入すると、信託報酬*は約0.162%(税込)となります。長期間にわたって運用することを考えると、この違いは大きいです。*国内籍投信の「信託報酬」は、海外のETFではそれに近い概念として「経費率」と呼びます。

 その違いの理由は、投信と海外ETFでは、できることや使い方が異なるからなのです。例えば、海外ETFを購入するためには、通貨を日本円から一度両替する必要がありますが、投信は一般的に日本円で購入できるため、円をドルに両替するといった手間が必要ありません。

つみたてNISA対象商品のほとんどが投信

 長期にわたって積み立てることで税制優遇制度を受けることができる「つみたてNISA」制度の対象商品は、投信がほとんどです。「つみたてNISA」の対象商品は「しっかり分散されていて、手数料が低く、運用が安定している」という金融庁の基準を満たす商品のみ。長期的に見ると投信のほうがETFより支払うコストが高くなることもありますが、少額から投資を始められる点や日本円で購入できる点などを踏まえると、それも適正なコストという見方もできます。

マーケットを見て売買できるETF

 一方、ETFは、市場が開いている時間であれば、自分の都合の良いタイミングでいつでも売買をすることができます(無料のケースもありますが、基本的には売買手数料はかかります)。

 また、複数の商品を機動的に組み合わせて投資を行いたい、という方にとっても、ETFは有力なツールです。異なる指数に連動するETFを数本組み合わせることで、ご自身でポートフォリオを構築し、好みに合わせてカスタマイズした投資ができるとも言えます。しかも、相対的に低コストで実現が可能となります。

同じETFを直接購入する場合と投信を通じて購入する場合の比較

  楽天・全米株式インデックス・ファンド  バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
  公募投資信託 海外ETF(上場投資信託)
取引単位
※1
(楽天証券の場合)
100円以上1円単位 1口単位(約1万5,000円)※2
取引価格 毎営業日1回算出される基準価額  取引時間中変動する市場価格で取引
取引通貨 米ドル(円貨決済も可能)
ファンドの
管理費用
0.162%程度 0.03%
分配金/再投資 ファンド内で再投資 受取
つみたてNISA
対象
○  ×
一般NISA
※1楽天証券でお取引の場合
※2参考価格 5/14の終値で1口141ドル、1ドル106.38円で約1万5,000円