5:東京五輪が開催され大盛況で終幕
そもそも開催されるのか、開催されたとしても盛り上がりに欠けるのではないかとの懸念がある東京五輪ですが、春を過ぎる頃には新型コロナウイルスの感染がいったん沈静化し、またワクチン接種も広がることで、東京五輪を開催する環境が整うと考えます。
開催までこぎつければ、選手たちの思いとパフォーマンスが世界中のリアルとバーチャルの観客を魅了し、成功裏に終幕を迎えるでしょう。観客数はある程度制限されるでしょうが、その分、メディアはカメラワークをはじめ、今までにない映像をクリエートしてくると予想され、新たな五輪、スポーツの楽しみ方が提示される可能性もあると思われます。
6:衆院選で与党が大勝し、菅首相が長期政権の足場を固める
2021年10月21日に衆議院は任期満了となります。したがって2021年は衆院選がいつ行われるのかが、金融市場においても注目点の一つです。
任期満了に近い選挙は、いわゆる「追い込まれ解散」になりやすいため避けるのが一般的ですが、2021年前半は予算や東京五輪準備で日程的に余裕がないように思われます。そうであれば、東京五輪後の盛り上がったところで選挙に出るのが上策と考えるのではないでしょうか。
菅内閣は、安倍長期政権後のつなぎとの見方もありますが、東京五輪の成功を背景に与党が予想以上の勝利を収め、立役者である菅首相が長期政権の足場を固める可能性があると考えます。
7:米国中心に長期金利が一時急上昇
夏場にかけて、新型コロナウイルスの感染が一時的に沈静化し、コロナワクチン接種も進むことで、経済正常化への期待が世界的に高まる可能性があると考えます。現状では数年にわたって超低金利政策の据え置きが予想されている米国の金融政策も、巻き戻しの思惑が急浮上し、長期金利が急上昇する可能性もあると思われます。米国長期金利の上昇は世界の金融市場に波乱をもたらし、急速にリスクオフが進む恐れもありそうです。
8:ドル安が進行し、ドル/円も円高に
米国長期金利の上昇は、新型コロナウイルスの感染終息が見えないことなどで一時的なものに終わり、また金利上昇を抑制するためのFRB(米連邦準備制度理事会)の行動を誘発することで、急上昇後に一転急低下する可能性があると思われます。
金利上昇はドル高要因ですが、イエレン次期財務長官はFRB議長時代にドル高への警戒を示したこともあるため、ドル高局面では口先介入する可能性もあると考えられます。市場参加者が信頼感を持つイエレン次期財務長官がドル高をけん制したとなれば、その効果は大きく、急速にドル安が進行し、ドル/円でも円高に振れる可能性があると思われます。