金(ゴールド):過熱感を帯びた相場でも、9月以降の安値を下回らなかった
金(ゴールド)は、“バイデン・ワクチン相場”の間、下落し続けました。ムードの改善により“有事のムードの側面”から、株高により“代替資産”の側面から、ドルが強含んだことにより“代替通貨”の側面から、これら3つのテーマで、下落圧力がかかったためです。
金(ゴールド)にとって、厳しい状態だったわけですが、それでも、NY金先物は、1トロイオンスあたり1,850ドルという、この3カ月来の安値を底割れすることはありませんでした。大阪取引所の金先物は、1グラムあたり6,200円の水準を、維持しています。
図:NY金先物(期近 日足)
図:大阪金先物(期先 日足)
株価が大きく上昇した“バイデン・ワクチン相場”の最中、逆風が吹きつつも、金(ゴールド)相場が3カ月来の安値を底割れせず堅調を保ったことの根底では、
・新型コロナの世界的な流行
・欧米の中央銀行の大規模な金融緩和
という、2つの現在進行形の金相場を支える材料が存在していたと考えられます。
“バイデン・ワクチン相場”が一巡しつつある中、今後、これら現在進行形の2つの事象が意識され、新型コロナの世界的な流行は“有事のムード”、欧米の中央銀行の大規模な金融緩和は“代替通貨”、仮にその時、株価が不安定化していれば“代替資産”の各側面から、金(ゴールド)に上昇圧力がかかる可能性があると、筆者は考えています。
上昇に勢いが付けば、金相場は今年8月上旬につけた史上最高値(NY金先物は2,000ドル、大阪の金先物は7,000円)まで回復することが、具体的に見えてくると、現段階では考えています。
図:金相場を取り巻く環境(筆者イメージ)