トヨタの販売・利益の回復早い
トヨタの販売台数は、4-6月が前年同期比▲31%のマイナスと大きく落ち込みましたが、7-9月には、同▲6.9%のマイナスと、急速にマイナス幅を縮小しました。会社による販売見通しでは、10-12月に前年同期並みまで戻り、来年1-3月には前年同期比+5%の増加に転じます。コロナ禍で止まっていた販売が、急に戻りつつあることがわかります。
コロナ禍で止まっていた生産も急回復しつつあります。4月にゼロだった北米生産が、9月には前年比+8%増まで戻っています。生産が止まっていた間に在庫が適正水準よりも少なくなっているため、在庫が適正水準に戻るまで、しばらく生産は繁忙が続きます。
在庫水準が低いため、7-9月の北米では販売コスト(インセンティブ)をかけなくても販売できたため、7-9月の北米セグメント(所在地セグメント利益)は、前年同期比で638億円の増益でした。
北米と同様、中国が好調です。上半期(4-9月)の中国部門の営業利益は、前年上半期の782億円から1,124億円に増益しました。中国部門の持分法投資損益も、前年上半期の635億円から790億円に増加しました。
トヨタは、世界中の自動車メーカーが赤字で、赤字で当たり前だった4-6月に1,588億円の純利益を計上したことで、底力を高く評価されました。今回、販売が回復に向かう中での、利益の回復力の大きさが改めて評価されます。
赤字に転落したリーマンショック(2009年3月期)と比べて、財務も収益力も、格段に向上したことが分かります。自動車セクターのコア銘柄として、トヨタを保有する価値は高いと判断しています。