武田薬品、熊谷組、電源開発が株価下落で新たにランクイン

 今月に新たにランクインした銘柄では、まず武田薬品(4502)が挙げられます。9月末の株価3,744円が10月末には3,239円となり、1カ月で13.5%も株価が下落したことが利回り上昇の背景となります。

 10月は業種別で医薬品セクターが下落率トップ、こうした流れによって月の前半から売りが優勢となり、月末にかけては、グローバルブランド14製品の売り上げ鈍化などで、上半期のコア営業利益が減益になったことから下げ幅が広がりました。

 医薬品セクターが売られた明確な要因はわかりませんが、バイデンリスクなどが意識された可能性も高いとみられます。

 他、熊谷組(1861)電源開発(9513)も株価下落で新たにランクイン。電源開発も、石炭火力が主力のため、バイデン大統領誕生によるデメリットが意識された面があるでしょう。

 ランキング上位銘柄における最近の株価の動きやニュースとして、特筆されるものはありませんでしたが、ソフトバンク(9434)は新政権の施策に対応する形で携帯電話料金の新プランを発表しています。ただ、株価への反応はあまりみられませんでした。

 高配当利回り銘柄の今後の注目点としては、7-9月期の決算発表が個別の注目材料となる他、米大統領選挙後の米長期金利の動向が挙げられます。

 バイデン氏が大統領になった場合、インフラ投資拡大などによる財政政策の積極化で、長期金利の上昇傾向が強まる可能性があります。その場合、グロース株からバリュー株への資金シフトが意識され、高配当利回り銘柄全般に関心が高まる可能性があるでしょう。