9-10月の日経平均は相対的に堅調

 9-10月の2カ月で、日経平均は▲0.7%の下落でした。NYダウが▲6.8%、ナスダック総合指数が▲7.3%下がったことと比べると、相対的に堅調だったと言えます。

日経平均・NYダウ・ナスダック総合指数の動き比較:2020年7月1日~10月30日

注:7月1日の値を100として指数化

 9-10月の日経平均が相対的に堅調だったのには、以下3つの要因があります。

【1】7-8月の上昇率が低かった

 米国株(NYダウ・ナスダック)は7-8月に大きく上昇し、9-10月に下落しました。日経平均は7-8月の上昇率が低かった分、9-10月の下落も少なく済んでいると言えます。

【2】日本は新型コロナウイルスの感染拡大が相対的に小さい

 欧米で経済再開にともない感染が急拡大したことが、9-10月の欧米株下落の原因となりました。欧米と比べて、感染を少なく押さえている中国や日本は、9-10月は資金の避難先になりやすい面もあったと言えます。

【3】中国景気回復の恩恵を受けやすい

 中国景気が新型コロナウイルス感染拡大によって落ち込んだのは1-3月でした。4-6月からプラス成長に回帰し、7-9月のGDP(国内総生産)は前期比+4.9%と回復が強まりました。日本は、地理的にも経済的にも中国とのつながりが強く、その恩恵を受けると考えられています。

 日本の7-9月の企業業績は、まだかなり厳しい状況と考えられます。それでも、中国景気回復の恩恵を受けるセクター(自動車など)には、少し回復色が出る可能性もあります。