前もってTOBされそうな銘柄を仕込むことはできるのか?

 このようなTOB合戦に発展するケースはまれであるものの、TOBが市場価格よりも高く買い取る事例が多いため、「TOBされそうな銘柄を前もって仕込んでおくことはできないか?」と考えることもできます。

 確かに、TOBされそうな銘柄のパターンとして、(A)「すでに子会社となっている銘柄を完全子会社化する」、(B)「業績の悪化や経営課題を抱えている関連会社を救済するために子会社にする」、(C)「統廃合など再編が進んでいる業界で、買収のターゲットになりそうな企業をねらう」などが考えられます。NTTによるドコモへのTOBは(A)のパターン、島忠をめぐるニトリとDCMホールディングスのTOB合戦は(C)のパターンです。

 とはいえ、TOBがいつ実施されるのかまでを予想するのは難しいですし、せっかく仕込んだとしても、そもそもTOB自体が実施されないこともありますので、時間的な忍耐力を要することを覚悟して臨む必要があります。