前日(10月10日)の市場概況
ドル/円:2週間ぶりの111円台へ下落
この日のドルは軟調に推移しました。ドル/円は東京時間午前の112.82円が高値で、113円台に復帰できないまま値を下げ、NY時間には一時9月26日以来となる111.98円まで下落。米長期金利が低下したことが理由ですが、売りも続かず、その後は徐々に値を戻して112円台半ばを回復しました。終値は112.434円(前日比-0.247円)。(チャート1)
ユーロ/ドル:1.18ドル回復
ユーロ/ドルは対ドルで上昇。先週金曜日の米雇用統計の発表後に大きく売られて、1.1668ドルの安値をつけたユーロ/ドルですが、このおかげで、ECB(欧州中央銀行)の緩和縮小の期待で積み上がっていたロングポジション(買い待ちのポジション)が軽くなり、改めて押し目買いを狙う動きが始まったようです。この日は1週間半ぶりの高値となる1.1825ドルまで反発。カタルーニャ自治州が独立宣言を延期したことも、ユーロ/ドルのプラスの材料となりました。
本日(10月11日)の注目イベント
今夜FOMC議事録が公開。米利上げ期待さらに高まるか?
本日はFOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公表されます。相場材料が不足気味のマーケットにとっては、注目のイベントです。
9月のFOMCは、ドル/円を112円から113円台まで押し上げた、ドル高の流れのきっかけとなる会合でした。
この時、FOMCは10月からバランスシートの縮小を開始することを発表。しかし、マーケットにとってのサプライズは、FOMCメンバーの大半が、年末までの利上げに賛成しているという事実でした。これを機に、マーケットは急速に12月利上げを意識し始め、現在の利上げ予想確率は、80%近くまで高まっています。
利上げに対してはどちらかというと慎重姿勢を見せていたイエレン議長が、年内の利上げが妥当とする考えに変わったのは驚きでした。その理由がFOMC議事録で説明されることになるでしょう。