グロース株 vs. 景気株

 NASDAQ総合指数対S&P500種指数、東証マザーズ指数対TOPIXは、グロース株対景気株の観点からも捉えられます。金融相場第1波は、コロナ禍という特殊事情によって強化された、IT(情報技術)や医療などグロース株期待に先導されて進みました(図表3)。その第1波が一巡し、第2波へ復調かというところを、米選挙の泥仕合に見舞われて、相場はもたついています。金融相場の基調観に変わりないとはいえ、値嵩のグロース株を部分的にでも利益確定売りして待機する動きが出やすい下地があります。

図表3:ETFで見るグロース株vs.景気株 

出所:Refinitiv

 今後、米選挙後に政治的不確実性の霧が晴れ、議会で経済対策協議がまとまり、さらに新型コロナのワクチンが承認・普及となれば、景気回復から経済正常化への道筋が展望できるようになります。そのことが、保有比率の高まったグロース株を売却し、割安なままのバリュー株・景気株の見直し買いというローテーション投資を促し得る頃合いと判断されます。

 高パフォーマンスが続くグロース株を捨てがたいと感じる投資家も多いでしょう。このことは、グロース株がローテーションで売られる場合も、押し目買いは根強いだろうことを窺わせます。つまり値嵩株の価格下落リスクに備えつつも、グロース株の内容の精査と選別をする良い機会と捉え、投資を継続するスタンスです。もちろん、ローテーションの過程では、景気株のアウトパフォーム期待が高まります。グロース株の保有比率を下げ、景気株を高めるリバランスが基本です。また、ハイテク・グロースでありながら、経済社会に不可欠の素材という景気循環の業種銘柄でもある半導体のように、両狙いできるかもしれない銘柄・業種も一考です。