外国為替相場は何年もボラティリティーが抑えられているが……

 昨日のブルームバーグの報道で、興味深い記事があった。『08年勝ち組クオンツ、コロナで復活-債券強気相場終了の救世主は為替』という記事で、米著名投資家ロイ・ニーダーホッファーの話である。ここで、ロイ・ニーダーホッファーは次の大きなトレンドが発生する市場は、為替市場であると述べている。

「27年続いている同ファンドは一方向の強気相場に長く苦しんできたが、先物市場全体の激しい値動きに乗じる体系的なプログラムを活用し、新型コロナがもたらした大混乱で稼いでいる。市場の異常な動きに着目、短期モメンタム投資とミーンリバージョン(平均回帰)戦略を採用しているのがこのファンドだ。株安が進むたびに中央銀行は介入しバランスシートの規模を拡大せざるを得ず、今後インフレを引き起こす可能性があると予想されるだろう」と話した上で、 長期債には全般的に、以前にはなかった下振れリスクがあると指摘した。ニーダーホッファー氏は、トレンドフォローのクオンツとなる可能性のある新たな市場の一角を見いだしている。外国為替相場だ。何年もボラティリティーが抑えられているが、金融当局による前例のない規模の債券市場介入の副作用として全てが変わろうとしていると分析、大きな通貨トレンドがCTAの救世主になるだろうと期待している」(10月7日 ブルームバーグ 『08年勝ち組クオンツ、コロナで復活-債券強気相場終了の救世主は為替』)

ドルインデックス2008~2020年

出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート(パンローリング)

 ここ数年、鳴りを潜めている為替市場が、次に大きく動くとしたら、それはドル安方向だろう。FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げについて「考えることすら考えていない」のであれば、ドル安になる公算が大きい。トランプが再選されれば、ドルを切り下げる可能性が高まる。米国はドルの価値を半分に下げれば、借金も半分になり、借金を他国のポートフォリオに移管できる。