「スガノミクス」銘柄がにぎわう

 株式市場は10月相場入りとなりました。9月の日本株は、米国株が大きく下落する場面を見せる一方で、日経平均がおおむね2万3,000円台をキープし、比較的堅調に推移した他、マザーズ指数が年初来高値を更新するなど、日本株と米国株の「デカップリング」のような動きとなりました。

 こうした日本株の堅調さの背景には、(1)夏場の米株上昇についていけなかった分、下落にもついていかなかったことや、(2)新政権誕生による期待で買える銘柄が存在していること、(3)米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による商社株買いをきっかけとした日本株の見直し気運の高まり、(4)日本銀行によるETF(上場投資信託)買い期待などが挙げられます。

 とりわけ、(2)については、菅新政権下で推進を図っているデジタル庁関連銘柄を筆頭に、いわゆる「スガノミクス」銘柄の売買がにぎわいを見せるなど、相場格言にある「政策に売りなし」を地でいく印象になっています。

 その他のスガノミクス関連銘柄の主な項目については、いろいろな区分の仕方があると思いますが、ざっくり分けると下記のようなイメージです。

図1:「スガノミクス」関連銘柄の項目

項目 内容
(A)行政のデジタル化 デジタル庁創設、マイナンバーカード推進
(B)携帯料金の引き下げ 携帯料金の引き下げ
(C)地方の活性化 地方銀行再編、ふるさと納税
(D)DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進 企業変革、オンライン診療、オンライン教育

 これらの項目をベースに具体的な個別銘柄に落とし込んでいくと、連想ゲームのように対象が広がり、結果的にかなりの銘柄数になります。