リターンが高かったのは、ファンドAとファンドBどっち?

解答:ファンドB

 投資信託の信託報酬は、基準価額の計算時に投資信託財産から日々支払われています。つまり、毎営業日公表される基準価額にはすでに信託報酬が反映されているため、「騰落率」として示されている数値がそのまま投資家のリターンになります。投資家が別途手数料を徴収されるようなことはありません。この問題の場合、Aファンドは「年間0.792%のコストをかけ、3年で+18.0%のリターンを創出した」のに対し、Bファンドは「年間1.727%のコストをかけ、3年で+23.0%のリターンを創出した」ということになります。

 インデックス型は、レストランのチェーン店のようにマニュアルに沿った運用を行うため、コスト水準のばらつきが小さい傾向にあります。一方、アクティブ型は、シェフが腕を振るうこだわりのレストランのように、ファンドによって投資方針が大きく異なるため、コスト水準のばらつきも大きい傾向にあります。AファンドとBファンドも、同じ国内株式を投資対象としていながら、信託報酬率に1ポイント近い差が開いています。同じ投資方針を掲げるインデックスファンド同士なら信託報酬率で比較してもリターンに大きな差はありませんが、アクティブファンドは信託報酬の高低だけでファンドの良しあしを判断することはできないのです。運用成績よりも先に信託報酬の値に目が行ってしまった方は注意しましょう。