【2時限目】リスクを取りつつ堅実さも考える? バランスよく組み合わせてみよう
白鳥:細かく見ていくと、国内や海外のほかに、先進国や新興国なんていうのもありますね。
篠田:新興国というのは、中国やインドなどこれから経済的に成長していく可能性のある国の株式です。先進国というのは、日本、アメリカ、ヨーロッパの各国など、すでに経済が成熟している国のことですね。1つ1つの国に投資するタイプもあれば、「新興国」「先進国」のように地域ごとまるっと投資できるタイプの投資信託もあります。
例えば、米国株の組入率が高い、先進国株式の投資信託を購入すれば、おなじみのAppleやAmazon、Googleといった世界的な大企業への投資を間接的に行うこともできます。
白鳥:えっ! GAFA(米国のグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4社の頭文字を取った、ITインフラを提供する米国の巨大事業者の通称)に投資できちゃうってことですか。なんか嬉しいじゃないですか、「あたし、GAFA回しちゃってます」みたいな(笑)。回したいですねぇ~。そうか~。「先進国株式」か~。
篠田:ただし、海外株式を取り扱っている商品を選ぶときは、その企業の業績以外に、為替変動というリスクを考慮することが重要です。1ドル=××円、とか、外国為替相場がいくら、などというニュースが流れていますよね? 今は1米ドルに対して106円や107円で推移していますが、これが100円や90円、といった具合に円高に振れてしまうと、GAFAの株そのものが上がっても、結果的に損をしてしまう可能があります。これを為替差損といいます。
逆に、円安に振れれば、為替差益といって、利益を得られる可能性もあります。
白鳥:うわぁ、そこまで考えるのって大変ですよね。
篠田:国内外の株式や債券を複数組み入れている運用するバランス型の中には、為替変動のリスクも含めてコントロールしてくれるものがありますよ。
白鳥:それは安心ですね。「ほかがあんまりよくなくても、バランス型を1つ買ってあるから一応安心だ」みたいな。
篠田:そうですそうです。株式だけに投資をするタイプは、年間で3割4割など大きく上がることもありますが、同じだけ下がってしまう可能性もあります。バランス型の中には、例えば年間4%程度のリスク/リターンを目指して安定的に運用するような商品もあります。童話「ウサギとカメ」で例えるなら、前者は「ウサギ」で、後者は「カメ」タイプといったところでしょうか。「カメ」の方の商品は、歩みは遅くても着実に増やしていきたいという方におすすめです。
白鳥:リスクを取りつつ、堅実さも押さえておく、ということですね。精神安定剤的にも、それは組み込みたいところですね~。