でも絶対に勝てないわけではない

 ただし世の中には、例外がいます。

 例えば、米国の大投資家ウォーレン・バフェットです。彼は、バークシャー・ハサウェイという会社を投資会社として使い、厳選した少数銘柄への集中投資を行い、長期の運用を続けてきました。

 今、ブルームバーグで、バークシャー・ハサウェイの株価を調べてみましたが、1988年1月末から2019年1月末までの31年間で、総リターン+10,180.53%、年率リターン+16.10%にもなります(米ドルベース)。同じ期間のS&P500指数は、総リターン+1,990.95%、年率リターン+10.29%でした。

 これは、インデックスファンドを買うお金で、バークシャー・ハサウェイの株を買えば、31年間で何とインデックスの5倍以上のリターンが最終的に上がったことになります。

 バークシャー・ハサウェイの株は、大人気銘柄ですから、株価は実際に同社が投資会社として保有している株式などの時価評価額の合計額より大きくなっています。しかし、その点を考慮しても、同社の持つポートフォリオがインデックスを大きく上回るリターンを上げてきたことは確かです。

 このように、アクティブ運用でインデックスに勝つファンドマネージャーもいます。

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どんなアクティブファンドがインデックスに勝てるのか?

 アクティブファンドには、さまざまな運用スタイルがあるため、一概にこのような運用をすれば勝てるとは言えません。しかし、大まかにファンドマネージャーの運用姿勢を見ていけば、ほとんど勝つ見込みがないファンドと勝てる可能性があるファンドを区別することは、ある程度できると筆者は考えています。

 筆者独自の考えですが、インデックスに勝てるアクティブファンドは、インデックスを意識し過ぎない、あるいは全く意識しない運用をするファンドです。バフェットは、もちろん、このタイプですし、優秀で伝説的なファンドマネージャーは、すべてこのタイプだと思います。

 アクティブ運用でインデックスを意識すると、結局、ほぼインデックスに追随した運用になります。運用成績もあまり変わりません。そうすると、単純に運用コストが高い分だけ、インデックスに勝つことが難しくなります。短期的には勝てる期間があるかもしれませんが、長期間でならした運用成績を見れば、ほとんどインデックスに負けてしまいます。

 筆者は、これまでの自身の知識経験から、「インデックスに勝とうと意識すれば、インデックスに負けてしまい、インデックスを無視すれば、インデックスに勝てる可能性が出てくる」というのが真理ではないかと考えています。

 筆者自身の金融資産の運用でも、主体はインデックスファンドですが、アクティブファンドにも投資をしています。当然、そのファンドはインデックスをまったく意識しない運用をするファンドです。

 最近では、インデックスファンドしか投資対象として眼中にないという方も少なくないと思いますが、投資をしなくてもアクティブファンドの運用姿勢を調べることは、資産運用の勉強になり、今後に役立ちます。機会があれば、月次レポートや運用報告書などで、アクティブファンドのポートフォリオを確認していただければと思います。