注意すべき優待内容

 今年4~8月までに優待の改悪、中止、廃止を発表した会社を見ると、やはりクオカードやお米券などの金券類や、プレミアム優待倶楽部などの自社で行っていないサービスの廃止や改悪が目立ちました。

 プレミアム優待倶楽部は企業にとって、実際の優待費用と共に、運営している会社にも手数料を支払わなくてはならず、コストもかかります。金券類は廃止をすればその分コストカットになり、財務強化の一助となります。優待廃止の企業を予測するのは難しいですが、財務を見るのも大切な指針となります。

長期優待はどうする

 優待投資での悩ましい問題の一つに「長期保有」があります。長期保有とは、半年、1年と保有し続けないと優待をもらえない、2年、3年以上長期保有すると優待内容がランクアップするなどです。

 保有の縛りを付けることは、会社としても安定的に株を保有してほしいための施策で、クロス取引や1泊株主(優待を手に入れてすぐ株を売る投資家)への対抗手段だと思います。

 コロナ禍での株価下落で、この縛りに振り回された方も多いのでは。損切したいけど売れない、利益が出たので違う株を買いたいけど売れないなど。その株を持ち続けるかどうかの判断は、人それぞれですが、その優待が好きならば継続保有し、インカムゲインをもらい続け、いつかは「恩株」に育てる。

 基本優待投資は長期保有が原則ですが、企業の縛りに左右され、身動きが取れなくなってしまうことになりかねません。この優待は十分楽しんだ、使い勝手が悪くなった、何か理由があるならば、長期保有に縛られることなく、新たな出会いを求めてその銘柄を卒業しても良いですね。