Money Hack 4 医療保険の減額を検討しよう
自己負担できれば保険を解約するのも手 難易度★☆☆
重い病気にかかったら高額な治療費を請求されるかも……そんな不安に備える医療保険(医療特約)。その保障内容は基本的には入院に対して給付される「入院給付金」と、所定の手術を受けたときに給付される「手術給付金」があります。
また入院給付金日額が1万円という契約なら、実際にかかった費用にかかわらず1日あたり1万円が支払われます。
入院費用はどれくらいかかるかというと、入院時の自己負担費用の平均は20万8,000円※でした。
※生命保険文化センターの「2019年度生活保障に関する調査」より。医療費の自己負担額が高額になったときに自己負担限度額を超えた分が払い戻される高額療養費制度を利用した人、利用しなかった人(適用外を含む)の両方が含まれる
20万8,000円なら貯金でまかなえそうと思う人は、入院給付金日額を減額する(1万円の契約なら7,000円や5,000円に下げる)ことで保険料を節約することができます。保険会社や保険商品にもよりますが、入院給付金日額を1万円から5,000円に減額すると保険料はおよそ半額になります。
例えば30歳の人が終身医療保険(入院日額1万円終身払い)に加入すると、月払い約3,000円で50年間支払った保険料の総額は約180万円。
元をとるには1日当たり1万円ですので180日間入院しないと……将来のことは分かりませんが、医療保険の必要性を検討してみる価値はありそうです。
Money Hack 5 どうしても支払が厳しい時
解約する前に払い込み停止を! 難易度★★☆
収入が減って保険料の支払いが苦しくなったとき、どうすればいいのでしょう。保険金額を減額すると保険料も下がりますが、支払いが続くことに変わりありません。
そこで終身保険や養老保険のような貯蓄性のある保険であれば、「払済」か「延長定期」に変えることで、保険料の支払いをなくした上に保障を続けることができます。ただし、保険金額が少なくなったり、保険期間が短くなったりという条件がつくことは覚えておいてください。
払済とは、その時点の解約返戻金(保険を途中で解約したときに戻ってくるお金。解約払戻金とも呼ぶ)を一時払保険料に充てて、保険金は減額されるが保障を継続する方法です。特約を付けている場合はなくなりますので注意が必要です。養老保険の場合保障と満期保険金が減額されます。
延長定期は、その時点の解約返戻金を一時払保険料に充てて、死亡保障のみの掛け捨ての定期保険に変更する方法です。保険金額は変わりませんが、保険期間が短くなります。満期保険金や解約返戻金は最終的に保険期間の満了で0円となります。
将来の保険金よりも今、現金が必要というのなら解約して、解約返戻金を受け取る方法もあります。ただし、終身保険、養老保険、学資保険といった保険期間が長い保険や貯蓄性のある保険には解約返戻金がありますが、定期保険や医療保険には解約返戻金がないか、あっても少額です。また、低解約返戻金型の保険は、保険料払込期間中の解約返戻金は通常より低くなっているので注意が必要です。
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ファイナンシャルプランナー:小沢 雅人
おかねの相談室|宇都宮 FPによる保険・投資信託・住宅ローン相談