「にわか」テーマに注意

 テーマ株は売買が盛り上がりやすく、信用取引の資金も流入して短期間のうちに株価が2倍・3倍、もしくはそれ以上になることも珍しくありません。大きな利益がねらえるチャンスがあるわけですが、その分だけ株価の下落も速くなりがちです。人気化によって株価が過大評価される傾向も加わるため、値動きのスピードについていくのが意外と難しく、「テーマで銘柄を選んで投資したものの、なかなかうまくいかない」ことも「あるある」です。

 本来、テーマ株には技術や政策、世の中の動きなど、その背景に「説得力や納得感を与えるもの」を持っています。描かれる成長ストーリーが分かりやすく、成長に伴って中長期的に株価が上昇していくようなイメージなのですが、実際の相場では、株価が期待を先取りする格好で早い段階のうちに上昇してしまう他、降って湧いて出たような「にわか」のテーマだと短命に終わってしまうこともあります。

「にわか」テーマの例を挙げれば、「北朝鮮から飛翔体が発射された」など日本周辺で軍事的緊張が高まると防衛関連銘柄が物色されますが、大抵は長く続きません。また、「解散総選挙が行われる」とか、「日本人がノーベル賞を受賞した」といった場合に反応する関連銘柄も同様です。

 したがって、テーマ株投資は思っている以上に短期投資向きで、「テーマの賞味期限」への意識とスピード感が必要と言えます。