本日の注目通貨

ユーロ/ドル:今週のレンジ予想:1.1315ドル から 1.1830ドル

 今回7月の会合のFOMCは、現行政策を維持する予想で一致。政策金利であるFF金利誘導目標レンジを0%から0.25%に据え置く「ゼロ金利」政策と毎月800億ドルの米国債買い入れの継続予想で、大きな変更はない模様。

 前回争点になったYCC(イールドカーブ・コントロール)については、FOMC内部でコンセンサスが得られていないのですが、10年物米国債利回りが0.6%を下回る低い水準ではYCCを導入して金利を管理する緊急性はない。

 FOMCは、インフレ率が目標に達してからも、さらにインフレがある程度「育つ」まで緩和政策を継続する方針を示唆しています。これが重要なのは、FRBは(現在の超緩和政策の結果)物価が上昇したからといって、すぐに利上げはしないと言っているからです。今回のFOMCでこの点が協調されるなら、ゼロ金利の長期間放置をあらためて確認することになります。金利の低下余地がほとんどない円が買われやすくなり、円高の可能性も高まるわけです。

 7月のドルは主要通貨に「全敗」。ドル安のサインはすでにでていた? 今日の注目グラフをご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ

7月の「勝ち組」「負け組」通貨ペア 「ドル全面安!」

対ドル ランキング

7月後半のマーケットはドル全面安の様相

 上のグラフで明らかですが、ドルはG7通貨に全敗。なかでも最大の「勝ち組」通貨ペアは「ユーロ/ドル」。7月4週までの上昇率は+3.8%となりました。ユーロの上昇は一時的な反発ではなく、中期トレンドに重要な変化が起きていることは、先週の為替Walkerでも何度かふれています。為替Walkerを読んで、ユーロを買った方、おめでとうございます。

 では、最大の「負け組」はどの通貨ペアかかというと、それは「ドル/スイス」。ドルに対してスイスフランを売っていた場合、7月第4週までのパフォーマンスは▲2.8%でした。つまり、それだけスイスフラン高になった、ということ。ユーロ高でスイスフラン高のマーケットです。

対円 ランキング

 トルコリラと南アランドは明暗わかれる結果となりました。対円では「南アランド」が+2.4%で「勝ち組」トップ。ユーロ/円の2.0%も上回りました。「負け組」はトルコリラの▲1.6%。