成長株かつ割安株投資の極意とは?
アークランドサービスHD(3085)の他にも、循環器系の医療機器を製造するDVx(3079)で10倍高、トレジャーファクトリー(3093)で5倍高を勝ち取ったエナフンさん。
「DVxは、購入した2008年当時、ずっと増収増益を繰り返しているのにPER(株価収益率)が5倍前後と著しく低迷しているのが気になって、ディフェンシブ銘柄、かつ安定した需要があると確信して投資しました。トレジャーファクトリーは5倍高ですが、リサイクル意識の高まりや中古品でも気にしないという消費者意識の変化から、市場自体が成長すると実感。裸一貫でこの会社を大きくした経営者の経験や手腕が生きると判断し、底値から2倍高で購入し、結果、5倍高を取ることができました」(エナフンさん)
単なる思いつきではなく、多くの投資家がまだ注目していない初期の段階で急成長株を見つけるエナフンさんの「嗅覚」は、日ごろから地道に有望企業の分析を続けてきた努力と信念の賜物(たまもの)といえる。
「効率よく、成長株かつ割安な株を見つけるためには、その企業が現在、重点的に取り組んでいる成長戦略を分析し、3~5年後に会社がどう成長して業績がどれだけ伸びているかを、自分なりに数字に落とし込んで予想することが大切です。業績の予想数値と現在の株価を比較して成長性に比べて割安だと判断したら、3~5年程度の保有を前提に、5~10銘柄を分散保有する『長期集中投資』をする。それが私のスタイルです」とエナフンさん。3~4年が経ってまだ成長が続いているようなら、さらに長期保有を考えるのだと言う。
といっても、どこにそんな成長株があるか、なかなか初心者には分からないもの。エナフンさんが出してくれたヒントは、次の3つのこと。
1:自分がついている職業に強く関連するなど自分自身が他人より詳しいセクター
2:小売りや外食、金融、建設など市場が大きくて安定的な需要があるセクター
3:投資の時期としては一時的な暴落局面や株価低迷が長引いているとき
コロナ・ショックで多くの企業の株価が急落した今は、ある意味、割安成長株に長期厳選投資を始める格好の時期なのかもしれない。