積み立て5年で、元手が約3倍に!

──毎月10万円積み立てれば、1年後に元本は120万円になりますよね。初年度はどのくらい増やすことができたのですか。

 いえ、それがマイナスだったんです。

──え! そうなんですか?

 僕が積み立てを始めたのが2007年8月だったと言うと、お分かりの方もいるかもしれませんが、ちょうど米国サブプライム問題が発覚した時期だったんです。翌年、リーマン・ショックが起き、世界同時不況が訪れました。それで、僕が積み立てていたファンドも一気に値が落ちてしまい…。

──うーん、残念ですね。どれくらいマイナスになったんですか?

 世界的な株安は5年近く続きましたから、一時は150万円くらいマイナスになりました。トータル700万円ほど積み立てたとき、評価額は550万円ほどでしたから。もちろん、含み損であって、実質的に損をしたわけではありませんが。

──投資なんてやめておけばよかった…とは思いませんでした?

 それはなかったですね。最初に言ったように、不況に見舞われたとしても、「世界の人口は増え続けているのだから、このまま下がり続けることはあり得ない、いずれ回復に向かう」と確信していましたし。逆に、リーマン・ショックで大きく下落した反動で、一気に上昇する可能性もあると思っていました。

不況時=安く買えるチャンス!と井上さん。リーマン・ショックの経験から「XXショック」を恐れる必要はない、と確信を深めたという。

──なるほど。

 それに「値が下がったのは、かえって幸運だったかもしれない」という思いもあったんですね。1口あたりの値段が下がれば、同じ10万円でより多く買えますよね。1口1万円だったら10口しか買えませんが、8,000円に下がれば12.5口買えます。後で基準価額が上がれば、不況のタイミングで安くたくさん買えた分、多く利益を得られるわけです。むしろ積立投資って値下がりした時にたくさん購入できるので、長期的にみたら不景気はウエルカムなんです。    

──不況が続いた5年間、安く買えたという解釈ですね。

 はい、5年にわたってバーゲンセールのような値段で買うことができました。

──ということは、リーマン・ショックから回復し、値が上がったときにはかなりの利益を得られたわけですね。

 2012年後半から株高となり、僕が保有しているファンドもあっという間に値上がりしました。結果、2013年末には評価額が2,200万円まで跳ね上がったんです! その時点の積み立て額はトータル800万円でしたから、1,400万円プラスです。すごいでしょう(笑)。

──スゴイ! 1年程度で一気に大幅プラスになったわけですね。

 はい、値が下がっても積み立てを続けたかいがありました。