NYダウの日足チャートに「アイランド・リバーサル」

 6月11日に、NYダウ平均株価は、前日比1,861ドル(6.9%)安と、過去4番目の大きな下げ幅となりました。12日は、476ドル高と反発しましたが、下げの勢いを消すには不十分な反発です。

日経平均日足:2020年2月3日~6月12日

 先週の急落で、NYダウの日足チャートには、テクニカル分析で短期的な弱気シグナルとされる「アイランド・リバーサル」【注】が現れました。

【注】アイランド・リバーサル
 株価が、窓あけして急騰、高値でもみあった後、窓あけして急落、急騰前の水準に戻ることでできあがる形。高値でもみあった部分が「離れ小島」のように見えることから、「アイランド(島)リバーサル(反転)」と呼ばれる。この形が出ると、上昇相場がいったん終了することが多いので、短期的な弱気シグナルとして意識されることがあります。

 6月11日の大陰線と、アイランド・リバーサルを見ると、目先、NYダウは下げが続く可能性があります。2万4,000ドルは下値支持線として意識されるところなので、その辺りでは下げ止まる期待がありますが、いったんその水準まで下げる可能性を意識した方が良いと思います。

 念のため申し上げますが、テクニカル分析とは、チャートから短期的な需給動向を読むもので、短期的な相場動向を読むのに役立ちます。ただし、統計的に起こりやすいことを示唆しているだけで、そうならない場合もあります。

 はやばやと史上最高値を更新し、強い動きを見せていた米ナスダック総合指数も、先週は、反落しました。

米ナスダック総合指数日足:2020年2月3日~6月12日

 ナスダック総合指数も短期的には下げが続く可能性があります。ただし、NYダウより堅調と予想します。世界のITインフラを支配し、コロナ後の成長期待が高まっているグーグル・アマゾン・フェイスブック・マイクロソフトなどのIT大手の構成比が高いからです。