株価指標で見て割安でも、収益先細りが懸念される金融株は避ける
割安株に投資する際、気をつけなければならないことは、「安かろう悪かろう」銘柄をつかまないことです。見かけ上の株価バリュエーションが低くても、将来、利益がなくなっていく金融株には投資すべきでありません。
将来にわたって収益基盤がしっかりしていると考えられるのに、売られている金融株を探さなければなりません。
長期金利低下で、「長短金利スプレッド」が無くなっていくので、国内商業銀行業務への依存度が高い地方銀行には投資すべきでないと思います。特に、預貸比率(預金のうち貸金にまわしている比率)が低く、預金を集めて国債を買うことで収益を稼いできた銀行は、今後、収益が厳しくなります。ゆうちょ銀行も国債での運用益に依存してきたため、今、収益構造の転換をはかっていますが、まだ充分な成果が出ていないため、先行き、収益先細りが懸念されます。
生命保険業も、収益の先細りが懸念されます。終身保険への依存が大きく、収益の多様化が十分にできていない日本の生命保険会社は、金利低下で利ザヤが低下するので、積極的には投資できません。