株価指標を使いこなすには?

 今回のテーマは「PER」や「PBR」と呼ばれる株価指標についてです。

 すでに「日頃からチェックしているよ」という投資家の方も多いと思いますが、日本語でPERは「株価収益率」、PBRは「株価純資産倍率」といいます。ちなみに、PERはPrice Earnings Ratio、PBRはPrice Book-value Ratioの頭文字をとっています。

 PERとPBRは株式投資に関わる上でかなり馴染みの深い指標です。マーケット関連の新聞や雑誌、テレビ、ウェブサイトなどのメディアでも頻繁に登場し、「この銘柄の株価はPERが〇倍なので割高」とか、「株価が急落したが、PBRが1倍を下回ってきたので割安水準」といった感じで使われます。また、具体的なデータについても証券会社の投資情報ツールなどで入手・確認することができます。

 このように、PERやPBRは「株価が割高なのか割安なのか」を探る指標として知られています。また、すでにご存じの方にはおさらいとなりますが、計算式も以下のような簡単な割り算です。

<PERの計算式>
株価÷1株あたり純利益
※もしくは、時価総額÷純利益

<PBRの計算式>
株価÷1株あたり純資産
※もしくは、時価総額÷純資産

 なお、PER・PBRともに単位は「倍」で表されます。また、PER・PBRの数値が変化する要因は、株価の上下と1株あたり純利益(純資産)の増減です。

 一般的に、株価は企業の価値を示すとされていますが、その企業の価値は、ビジネスの稼ぐ(利益を生む)チカラである「事業価値」と、企業が保有している「資産価値」の2つにざっくり分けられます。

 あらためて上の計算式で確認すると、株価を事業価値(利益)で比較したものがPER、資産価値で比較したものがPBRということが分かります。