長期戦覚悟の割安株投資。業績の変化に敏感に

 割安株というのは「株価が安い」のが特徴。その理由はといえば、とにかく「人気や魅力がない」ことだ。確かに株主配当や優待でお得感を満喫するのが割安株投資の魅力だが、株式投資で利益を得るには株価が上昇しないことには話にならない。「万年割安株」をずっと持っているのは資金効率も悪く、株価がズルズル下がって、配当+優待でもらった金銭的価値以上の含み損を抱えてしまっては本末転倒だ。

「投資家から『この株、割安だけど意外にいいじゃない』という注目を集めるためには、やはり会社自体に変化の兆しがあることも重要です。その会社の業績が上向きに転じたり、新たなビジネスへ挑戦したりなど、業績や経営面でポジティブな変化が生まれそうな銘柄を狙うほうが、効率よく値上がり益も狙えます」(佐藤氏)

 そのためには、決算発表で「黒字転換」「業績上方修正」「増配」といったサプライズが出た割安株をいち早く買うなど、変化に敏感であることが大切なのだ。

「割安株が注目されるのは、何らかの要因で株式相場全体が急落したことにつられて下落し、好業績の株までもがたたき売られ、株価が極端に割安になっているようなとき。その意味ではコロナ・ショックで株価水準が全体的に下がっている今は、割安株投資を始める良いタイミングといえるかもしれません。また、金利が上昇する局面では、割高な成長株よりも、業績が安定してバリュエーション(企業価値と比較して、株価が割安か割高かを判断すること)が適正な割安株に注目が集まるなど、投資する時期も大切になってきます」(佐藤氏)