どのような地合いでテンバガー株が生まれるか?

 過去にテンバガー株が生まれたケースを振り返ると、「株価が大きく下落した後に上昇がスタートする」という共通の特徴があります。

 例えば、2005年や2013年の日本株は、バブル相場をほうふつとさせるほど多くの銘柄の株価が何倍にも上昇しました。では、上昇する前はどうだったかといえば、2005年は2000年前後のITバブルが崩壊し、株価が大きく下落、その後も低迷が続いていた時期でした。

 2013年も同様に、2008年のリーマン・ショックにより株価が暴落した後、さえない動きが続いていました。

 考えてみれば当たり前かもしれませんが、株価が10倍になるには、そのスタート地点の発射台が低ければ低いほど、可能性は高まります。

 株式市場全体が大きく上昇しているところから株価がテンバガーを達成するケースもありますが、頻度からすればかなり低いです。

 これを今回の「コロナ・ショック」に当てはめると、2000年のITバブル崩壊や、2008年のリーマン・ショック時には日経平均株価が60%以上の下落となりました。

 しかし、コロナ・ショックでの日経平均株価下落は30%ほどです。

 したがって、過去の経験則からいえば、まだ下げが足りないといえますし、個別銘柄の株価をみても、まだ発射台が高いなあ、という印象です。

 もちろん、これはテンバガーに発展する銘柄が多数発生するかどうかという意味での地合いですから、ここから株価が10倍は難しくとも、2倍、3倍になる銘柄が出てくる可能性は大いにあります。

 前回も申し上げた通り、テンバガーは狙って買うものではありません。もし発射台が高く、株価10倍はなかなか期待できないとしても、株価が上昇トレンドを続けている間はしっかりと株を保有して、利益を伸ばしていくべきです。もしかしたら、中にはテンバガーを達成できる株も混ざっているかもしれません。

▼成長株(グロース)、割安株(バリュー)戦略の記事をもっと読む