ハゲタカファンドがいれば狙われる可能性もある、ディ-プ・バリュー株が増加
今日は、ディープ・バリュー株の話しをします。いきなりカタカナ言葉で意味が分からなかった方もいるかもしれないので、まず、言葉の意味を説明します。
バリュー株とは、「割安株」という意味です。PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・配当利回りなどの株価指標から見て割安な株を、バリュー株と呼びます。といえば、ディ-プ・バリュー株の意味はもう分かったかと思います。「ディープなバリュー株」、つまり「非常に割安な株」「激安株」のことです。
今、日本の株式市場には、保有不動産に巨額の含み益【注】があるにもかかわらず、株価が、純資産価値と比べてきわめて割安な水準に留まっている銘柄がたくさんあります。
【注】含み益
時価と取得原価の差額。100億円で買った不動産が120億円まで値上がりしたとき、帳簿上100億円で計上している不動産に、20億円の含み益が存在することになります。
今日のレポートでは、そういう「含み資産株」に改めてスポットライトを当てます。こうした含み資産株は、2005年に大活躍したハゲタカファンド(買収ファンド)がいれば、まっさきに狙われそうな銘柄群です。ところが、2006年以降、ハゲタカファンドは日本からほとんど撤退しました。
ハゲタカ去り、割安な「含み資産株」に、敵対的買収をしかける買い手は一時まったくいなくなりました。純資産価値と比較してかなり割安とわかっていても、注目する投資家がいない状態が長く続きました。
昨年当たりから、敵対的買収が少しずつ、復活しつつあります。昨年敵対的TOB(株式公開買い付け)がかけられて株価が急騰したユニゾHD(3258)は、保有する不動産の含み益と比較して、株価がきわめて割安でした。そこに注目した買収ファンドなどが、敵対的TOBを発表し、株価が急騰しました。