コロナ後の市場、どう読む?どう動く?

Q:コロナ・ショックがここまで長引くと思っていましたか?

A ここまで広がるとは思っていなかった…

 長年、株をやっていて感染病関連のニュースが出たときは、SARS(重症急性呼吸器症候群)にせよ、MERS(中東呼吸器症候群)、エボラ出血熱にせよ、過去の事例はたいしたことがなかったので、ここまで広がって市場に影響するとはまったく思っていませんでした。どうせ、全体相場が下がって、マスクや防護服や特効薬がらみの関連株が急騰して、すぐに終わりでしょ、と思っていたので、正直びっくりしています。ただ、暴落が続く過程で、通常ならかなり派手なリバウンドがあってもおかしくないのに、2月下旬までさしたるリバウンドもなく大きく下げ続けたので、これはいつもとは違うかも、と気づきました。いつもなら日経平均先物をヘッジ売りしたりしますが、今回は特段、何もしていませんでした。

Q:今回の急落で学んだことはありますか?

A:冷静なつもりだったが…。もっと冷静さを保つべきだった

 過去の感染症による急落相場の値動きと比べてしまい、安易に考えてしまったことは後悔していることの1つです。また激しく急落しているときに無理やり取引して損失を増やしてしまったことも反省点。冷静に売却できたつもりでしたが、やはりどこかで、コロナ・ショックに冷静になりきれていなかったと反省しています。

Q:依然、先行き不透明な状況ですが、新たに買うタイミングはいつ?

A:コロナ影響を、企業が数字で発表し始めた頃!

 一通りの企業がコロナ・ショックで今後の業績にどれぐらい悪影響が出るか、具体的な数字を発表できるレベルになったときじゃないでしょうか。配当や優待、業績の下方修正や減損処理の数字がある程度、把握できないと、なかなか長期保有目的で株を買うのは難しいと思いますね。

Q:まだまだコロナ・ショックが続きそうですが、どんな心構えで臨む?

A:今後の相場はボックス6割、下落4割?歴代ショックを参考に

 ここからしばらくは、大きく上下に振れるボックス相場の確率が6割、残りの4割はゆるやかな下落相場が続くと予想しています。まだまだ長い時間軸での株価上昇は期待できないのではないでしょうか。アベノミクスが始まった2012年の年末以降、「株は上がるもの」というのが基本的な考え方だったように思います。でも、今後は長い時間軸での上昇にはあまり期待せず、適度な時間軸、すなわち、あくまで短期目線、中期目線で内容のいい銘柄を見極めていきたいと思っています。

Q:相場が落ち着くシグナルはなんでしょうか?

A:個人投資家の復活がカギ

 僕が取引の対象にしている新興株は個人投資家の取引が7割強を占めています。なので個人投資家の財布が潤ってきて、新興市場にお金が再度、流入してくるようになるまでは、おっかなびっくりで気を引き締めて毎日を過ごしてゆくしかありません。