前日(9月25日)の市場概況
ドル/円:111円台半ばへ下落。今後の動きを見守る
週明けのドル/円は、東京市場の朝につけた112.51円が高値で、その後は売りが徐々に優勢になって、欧州時間には112円台割れ。いったん戻しましたが、北朝鮮の外相が「トランプ大統領の発言は宣戦布告」と発言したことで、111.47円まで下落して当日安値をつけました。(チャート1)地政学リスクがリスクオフの動きとなって、ドル/円の上値が重くなっている状況ですが、大きく崩れることはなく111円台はしっかりサポートされました。終値は111.716円(前日比-0.26円)。
「宣戦布告」をどれほど本気で言っているのか判断が難しいところです。マーケットの反応が冷静なのは、しょせん言葉のゲームと受け取っているからかもしれません。問題は、トランプ大統領がなんと言い返すのか、ということです。売り言葉に買い言葉で、本当の戦争が始まるリスクもあります。
ユーロ/円:ドル/円とユーロ/ドルが弱く、9月15日以来の安値
ドル/円とユーロ/ドルの下落に連れてユーロ/円は2円以上下げ、9月15日以来の安値となる131.98円をつけました。(チャート2)
今夜の注目ポイント
イエレン議長発言。12月利上げはあるのか?
地政学リスクを別にすると、今夜はイエレン議長の発言に注目が集まります。FOMC(米連邦公開市場委員会)は、今月の会合でバランスシート縮小を10月から開始することを発表しました。しかしマーケットの関心はバランスシートよりも、FRB(米連邦準備制度理事会)が12月に利上げをするのか、ということにあります。FOMC後の発言を聞くと、サンフランシスコ連銀総裁やNY連銀総裁は利上げに前向きですが、シカゴ連銀総裁は、インフレが上昇している証拠がもっと必要だと慎重姿勢です。イエレン議長の発言で利上げ確率が大きく上下することも考えられます。さらに、ポロズBoC(カナダ中央銀行)総裁のスピーチにも注目です。カナダ銀行は、今年7月と9月に利上げを実施。市場では来年4月までに50ポイント以上の追加利上げがあると予想しています。