3.口座手数料だけで判断してはいけない

 iDeCoに加入する場合、まずやらねばならないのは、どこの金融機関(運営管理機関)を使うかということです。多くのマネー誌でも金融機関選びの記事が出ていたりしますが、その場合、選ぶ基準の最初に出てくるのが「口座手数料」が無料かどうかということです。もちろん口座手数料は加入者にとってのコストですから安い方が良いし、かつ無料であるのならそれに越したことはありません。

 しかしながら、最近は多くの金融機関で運営管理機関の口座手数料は無料化されており、その数は2019年10月末時点では、14社もあります(参考:NPO法人 確定拠出年金協会「iDeCoナビ」)。

 口座手数料は定額ですから、残高が増えても金額は変わりませんが、投資信託で運用する場合の信託報酬(運用管理費用)は残高が積みあがっていくと、当然その金額も増えます。したがって、なるべく信託報酬の率の低い商品を選ぶことが大事で、そういう商品がラインナップされているかどうかは重要な要素です。

 加えて、長期にわたる制度ですからコールセンターやWEBといった加入者インターフェースの良し悪しや将来の給付のバリエーションも重要なポイントとなります。何せ年金は受け取る時が一番大事です。税や働き方を考慮して受け取り方のバリエーション、すなわち選択肢が豊富かどうかはきわめて大切です。