2.専業主婦(主夫)が加入することも無意味ではない
iDeCoの最大のメリットは「掛金が所得控除になる」ことだと思います。したがって専業主婦(主夫)や厚生年金に加入せずにパートで働く主婦は収入があっても所得がないから、そのメリットを享受できないので、加入する意味がない、ということもよく言われます。
事実、iDeCoの加入者138万人の内、専業主婦である3号被保険者の数はわずか4万人あまり。ところが、iDeCoのメリットは所得控除だけではありません。運用益非課税や低コストの投信での運用、そして何よりも60歳までは引き出せないという制約があるからこそ、老後資産形成には最も適していると言えるのです。
だとすれば、専業主婦だからと言って老後資金をすべて夫の収入からの積み立てに頼るのではなく、自身のパート収入の中から老後資金を積み立ててもいいでしょう。
その場合、他の手段よりiDeCoの方が優れています。仮に30歳から、専業主婦の上限金額2万3,000円を毎月のパート収入の中から積み立てていけば、積立総額は60歳の時点では828万円になります。仮に年率2%で運用できた場合、元利合計は1,133万円となります。
しかも受け取る場合には退職所得控除が適用されるため、30年間積み立てたなら受取額に対して税金はかかりません。夫が定年になった時に受け取る退職金に対して、こちらは妻が受け取る退職金と考えてもいいのではないでしょうか。
所得控除があろうがなかろうが、老後資金をこしらえるのであれば、やはりiDeCoが最も適切な方法であることは間違いありません。だから決して専業主婦だからといって意味がないわけではないのです。