雇用保険の通算制度を知っておこう
実は、雇用保険の加入期間は1つの会社で12カ月以上加入していないといけないわけではありません。
上で挙げた受給条件の文言をよく確認してみると、「『離職の日以前2年間に』雇用保険の被保険者期間が『通算して』12カ月以上」となっているのがおわかりでしょうか。
つまり、雇用保険は前職と現職を通算できることを知っておきましょう。転職後の加入期間だけでは12カ月に満たなくても、前職と通算することで加入期間が12カ月を超えると失業給付受給の権利が発生します。
とはいえ、受給条件の2の部分で説明したように、ハローワークで求職の申し込みをしていないと失業手当はもらえません。「どうせもらえないのに手続きするのが面倒くさい」と思って何もしないでいると、せっかく権利があっても失業手当はもらえませんから、加入期間は通算できるということを知っておきましょう。
雇用保険を通算するにも条件あり!?
とはいえ、加入期間を通算するためにも条件があります。
1.前職の退職時にハローワークで求職の申込みをしていないこと
2.前職の退職日から再就職の日までの空白期間が1年以内であること
前職の退職で失業給付を受給していたり、前職と再就職の空白期間が1年以上になると、それまでの被保険者期間はゼロになってしまいます。つまり転職時からの加入期間は振り出しにもどりますから通算して12カ月以上という条件から外れてしまいます。
退職時には必ず離職票をもらおう
ハローワークで求職の申し込みをする際には退職した会社の離職票が必要ですが、前職の雇用保険を通算するためにも前職での離職票をハローワークに提出しなければなりません。
離職票とは、従業員が退職するときに会社から交付される書類のひとつですが、転職による退職など、「どうせもらえない」というケースでは離職票をもらわなかったり、もらっても捨ててしまったりという人もいるようです。
最初の退職時には失業給付なんて関係ないと思っていても、予定外に失業給付が必要になることもあります。受給有無に関係なく、退職時にはきちんと離職票をもらい、保管しておくようにしてくださいね。
(續恵美子)
※この記事は2019年5月20日にマネラボサイトで公開されたものです。
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