贈与税がかからない親子間の贈与の特例

「直系尊属からの住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税制度」

 子どもが父母や祖父母などから平成28年1月1日~令和2年3月31日に住宅取得資金のための贈与を受けた場合には700万円までの贈与資金が非課税となります。また、一定の省エネ・耐震性を備えた良質な住宅の場合の非課税枠は1,200万円まで広がります。

 住宅資金にかかる贈与の特例は、贈与者の相続開始時に相続税の課税価格の加算対象とならないことも特徴です。

「直系尊属からの教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」

 令和3年3月31日までの間に、両親や祖父母から教育資金の一括贈与を受けた場合に最大1,500万円まで非課税になる制度です。

 贈与を受ける子どもの年齢は30歳未満ではあることが要件となっています。金融機関にお金を預け、教育資金口座から払い出しをする場合には、確かに教育資金に支払いに充てた証拠となる領収書等を提出して手続きを行います。

 お金を受け取った子どもが30歳になり使い切れなかった部分については贈与税の課税対象となる点には注意が必要です。

「直系尊属からの結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の課税制度」

 令和3年3月31日までの間に、父母や祖父母から結婚や子育て資金の一括贈与を受けた場合に1,000万円まで非課税になる制度です。

 贈与を受ける子どもの年齢は20歳以上50歳未満であることが要件となっています。金融機関にお金を預け、口座から払い出しをする場合には、確かに子育て資金の支払いに充てた証拠となる領収書等の提出が必要です。

 お金を受け取った子どもが50歳になり使い切れなかったお金については贈与税の課税対象となります。また、契約期間中に贈与者が死亡した場合、残額は相続税の課税対象となるので注意が必要です。

まとめ

 最近は「贈与の特例」によりまとまった資金を非課税で子どもに贈与できる制度もできていますが、引き出し時や使い残した分には贈与税がかかることもあり手間がかかるともいえ慎重に検討していただく必要はあるでしょう。

 前述のように常識の範囲内で「都度」の資金援助であれば贈与税はかからないことはしっかり押さえておいてください。

年間60万円の差がつく、2年以内に100万円以上の貯蓄を実現する方法を学ぶ

最新記事・限定情報はTwitterで配信中♪

(寺野裕子)

※この記事は2018年7月18日にマネラボサイトで公開されたものです。

記事提供元