とりあえず売ってキャッシュ比率を高めておけば生き残れる

 株価の下落が大きくなり、世界同時株安の様相を呈してくると、業績がどうこう、というよりは、株を保有すること自体をリスクと感じる投資家が増えてきます。その結果、ほぼ全ての銘柄が大きく下落するようになってしまうのです。

 では、株価が下落して止まらないならばどうすればよいのでしょうか? とりあえず保有株を売却してキャッシュ比率を高めておくことを筆者はお勧めします。そうすれば、株価がいくら下落しても損失の拡大は防げるからです。

 そして、筆者がいつも申し上げているとおり、株価下落の初期段階、例えば25日移動平均線を割った時点で売却しておけば、かなり高い株価位置で売却が可能です。

 その上で、株価が下げ止まって落ち着いてから買い直せばよいのです。

 今は、通常モードの考え方では危険だと思います。リーマン・ショックを上回るような激震さえも想定した「最悪の事態」に備えるくらいでよいと思います。

 およそ100年周期で訪れているといわれている流行病、現代の株式市場ではその影響がどのくらい株価にインパクトがあるか、経験したことがありません。

 何が起こるか分かりません。だからこそ、どうなってもおかしくないという前提で行動するべきです。今はいかに安く買って利益を得るか、ではなく、いかに大きな損失につながる行動を避けるか、を第一に考えるようにしてください。