前日(9月21日)の市場概況

ドル/円:買い遅れの焦りも

 前日のFOMC(連邦公開市場委員会)後から始まったドル買いはこの日も続き、ドル/円は112.71円まで高値を更新しました。日銀は、この日の会合で現状の緩和政策の継続を決定。日米の金融政策の方向の違いが浮き彫りになったことも円売りの理由になりました。安値はNY時間につけた122.12円。一方的に上昇するドル/円に、マーケットは買い遅れの焦りも出始め、下げ調整があっても浅く終わりました。終値は112.487円(前日比+0.334円)。(チャート1)

米12月利上げ確率が急上昇

 米国のインフレ率はしばらくの間伸び悩み、連銀総裁の多くもそれを認めていました。年内利上げの可能性は、当然低いだろうと考えていました。ところがFOMCで、メンバーの3/4が利上げに前向きなことがわかると、「え?利上げするの?」という驚きとともに、12月の利上げ確率は50%以下だったのが60%以上に跳ね上がりました。利上げ確率が短期間にこれほど高まったことは今までに例がありません。出遅れたマーケットが仕込みに走り、ドル/円を押し上げているようです。
 

ユーロ、ポンド:FOMC後の安値から戻す

FOMC後に1.2013ドルから1.1863ドルまで急落したユーロ/ドルは、徐々に戻して1.1953ドルまで回復。(チャート2)

 ポンド/ドルもFOMC後に急落しましたが、1.35ドルの下抜けはまたも失敗に終わり、1.3585ドルまで戻しました(チャート3)。本日はメイ英首相のEU(欧州連合)離脱方針のスピーチが予定されています。

豪ドル:続落

 豪ドル/ドルは、FOMC後につけた安値を更新して、0.7916ドルまで下押し(チャート4)。2年3カ月ぶりの水準で高値警戒感があったことに加え、この日RBA(豪州準備銀行)総裁が、豪ドル高が利上げを遅らせていることをスピーチで暗に批判したため売りが加速しました。