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11月の米大統領選挙に向けて共和・民主両党の候補者選びの初戦となる党員集会が2月3日、中西部アイオワ州で行われました。政権奪還を目指す民主党はサンダース上院議員やバイデン前副大統領など、上位4人の候補者による異例の混戦となっています。対立候補が事実上いない与党・共和党のトランプ大統領に対し、民主党の『大統領候補』指名争いは激化しており、しばらく混戦が続きそうです。
【ポイント1】大統領選挙の候補者選び始まる
アイオワ州とニューハンプシャー州の結果が注目される
米国の共和・民主両党は、11月の大統領選挙に先立って、全米の各州で党員集会や予備選挙を行って党の候補者を選ぶことになっており、その初戦となるアイオワ州の党員集会が3日に行われました。『大統領候補』選びに向けて、共和党は対立候補が事実上いないトランプ大統領が指名される見通しです。一方、民主党は、サンダース上院議員、バイデン前副大統領、ブティジェッジ前サウスベンド市長、ウォーレン上院議員の4人が激しく競い合っており、最終的に誰が勝利するのか注目されています。
党員集会・予備選の先頭を切るアイオワ州の結果は、次戦11日のニューハンプシャー州予備選とともに候補争いの先行きを大きく左右するとされます。過去にこの2州で勝利できないまま『大統領候補』になったケースはほぼないからです。
【ポイント2】ブティジェッジ候補がリード
バイデン候補は4番手
民主党は党員集会の集計が混乱し、4日午後に最初の発表(集計率62%)を行いました。それによると、若手のブティジェッジ前サウスベンド市長(中道左派)がトップ、サンダース上院議員(左派)が2位、ウォーレン上院議員(左派)が3位、バイデン前副大統領(中道)が4位と、上位4人の混戦となっています。
【今後の展開】次戦のニューハンプシャー州予備選が注目される
民主党は左派と中道派が激しく争っていて、どの候補がアイオワ州や次戦の11日のニューハンプシャー州予備選を制するのかに、関心が集まっています。そして、14州で党員集会や予備選挙が行われる、最大のヤマ場、3月3日のスーパーチューズデーを経て、通常は候補者が絞られます。その後、6月にかけて全米で党員集会や予備選挙が順次開かれ、7月の民主党大会で正式に指名を受けます。
金融市場は、民主党候補者の一本化の過程で、優勢な候補者の経済政策を織り込みにいくとみられます。民主党の左派が『大統領候補』になる予想が高まった場合、経済政策の転換リスクを嫌気する可能性があります。