前日(9月20日)の市場概況

ドル/円は2カ月ぶりの112円台へ

 FOMC(連邦公開市場委員会)後のドル/円は112円台へ急上昇して2カ月ぶりの高値をつけました。米国の年内利上げ確率が高まったことが理由。(チャート1)

 FOMCまでのドル/円は調整売りが優勢で、欧州時間には111円台前半までじり安。FOMCの結果発表の直前に111.04円まで下げましたが、急反発すると112.52円まで上昇。7月20日以来の高値をつけました。終値は、112.153円(前日比+0.558円)。

 ユーロ/ドルは、1.2031ドルを高値に1.1861ドルまで大きく下落。米利上げに焦点が移ったことで、ECB(欧州中央銀行)の緩和縮小のテーマは小休止となりそうです。(チャート2)

 
 

FOMCで年内利上げ確実?

 FOMCは、この日まで行われたFOMC会合で、政策金利を現行水準に据え置き、予想通りに10月からバランスシートの縮小を開始することを決定しました。

 バランスシートの件は、すでに周知が図られていたため、サプライズではありませんでした。ところが、FOMCメンバーの大半が、年末までにあと1回の利上げ予想していることは、マーケットにとってはやや意外でした。サプライズを表すように米2年債の金利は約9年ぶりの水準まで急上昇。ドルは全面高の展開となりました。

 とはいえ、12月利上げは確定ではなく、今後の経済指標次第で判断が変わる可能性もあります。イエレン議長をはじめ、連銀総裁の今後の発言もフォローしていくことが大切です。

今日の注目指標:日銀、ドラギ総裁発言

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 日本銀行が、長短期両方の金利操作を行う、異例のYCC(イールドカーブ・コントロール)政策を導入してから、今回の会合でちょうど1年となります。日銀は昨年9月、「QQE(量的質的金融緩和)」と「NIRP(マイナス金利)」について総括的な検証を行った結果、YCC政策の導入を決定しました。

 そして本日は、日銀の金融政策決定会合を終えて金融政策を発表します。日銀は現状維持の予想。世界の主要中央銀行が一斉に金融政策の引き締めへと動くなかで、日銀の出口戦略はどうなっているか、ということは当然問われることになるでしょう。黒田総裁の会見にも一応注目です。

 また本日は、ドラギ総裁のスピーチが予定されています。ドラギ総裁は、次回10月の会合でECBの量的緩和縮小を発表することを事前通告しました。縮小プログラムはいつくか選択肢があること述べていましたが、内容を巡ってマーケットに憶測が飛び交っています。

 ドラギ総裁は7日のECB会合後の会見で、「為替動向を注視する」と発言しましたが、「ユーロが強すぎる」といったような強い表現は用いませんでした。このためECBはユーロ高を認めたと解釈されて、ユーロ買いの安心感につながっています。1.20ドル台が、果たしてECBにとって許容レベルなのか、ということもマーケットの大きな関心事です。